最近、国内MBA予備校の評判についての問い合わせをよくいただきます。私自身、国内MBA予備校に通った経験がないので、正直あまり情報を持っていないのが実状です。
そこで、各校に通われた方の声をデータとして、特徴を分析してみようと思います。
分析対象校
わたしが把握している国内MBA受験予備校、もしくは国内MBA受験対策講座のある予備校は、以下があります。
- 河合塾KALS
- ウインドミル・エデュケイションズ
- NIKKEN MBA lab.
- 青山IGC学院
- 中央ゼミナール
- Z会
- 院試塾
この中で、以下の2条件を基に対象を絞りました。
- 小論文、面接、研究計画書類の3つ全てに対応している
- 国内MBA合格者の声を一定数以上を公開している
条件に適合したのは、河合塾KALS、ウインドミル・エデュケイションズ、NIKKEN MBA lab.の3校です。この3校を対象としたいと思います。
分析方法
各校が公開している合格者の声を対象として、3校を比較します。もちろん、この方法には客観的な評価という観点で限界があります。まず各校に通った人の中で、無事MBAに合格した人の声しか拾えません。次に、その中でも各校Webページ掲載用に寄稿した人のみのデータとなります。さらに、それらの寄稿にはなんらかの編集が加えられている可能性があります。加えて、各校が寄稿にあたってどういった依頼をしたのかもよくわかりません。これら限界を踏まえた上でご覧いただければと思います。
ツール
みんな大好きKH Coderの3.Alpha.13aを使用しました(樋口先生ありがとうございます)。
品詞別頻度分析
まず、3校の合格者の声の品詞別頻度を分析してみたいと思います。
名詞
3校の合格者の声の中で、3校ともに出現する名詞について、頻度のバラつきで各校の特徴を探ってみます。下表は3校ともに出現する名詞と、各校毎の名詞の出現頻度について和が1.0になるように正規化した値と、標準偏差です。標準偏差の大きい順にソートしてあります。これで、各校で出現頻度にバラつきのある名詞順に並んでいることになります。
一番バラつきが多かったのが「自分」です。特にNIKKEN MBA lab.の頻度が高いです。NIKKEN MBA lab.データの中身を見てみますと、「自分ならどう考えるか」「自分の言葉で説明する」「自分自身に問いかけ続け(た)」など、省察的な表現が多数見受けられました。同校における指導のベースとなる考え方なのでしょう。
次にバラつきの多かったのが「小論文」です。これはウインドミルが最も高頻度でした。内容としては小論文対策に力を入れるべきという後続者への助言、予備校に入る前は小論文が苦手だった、小論文の場数を踏んできたという、小論文に対する同校の姿勢が見受けられました。
3番目にバラつきが多かったのが「課題」です。これは河合塾KALSが最も高頻度でした。課題の添削、課題のフィードバックなど、課題がカリキュラム組み込まれていると考えられる記述が見受けられました。
他に特徴的だった名詞は「皆さん」です。河合塾KALSの「皆さん」は河合塾KALSのスタッフ向けの「皆さん」ですが、他の2校は同期と、合格者の声を読んでいる読者を指す「皆さん」でした。
次回は他の品詞を分析してみたいと思います。
(国内MBA予備校比較(その2)に続く)