経営学をかじった印象~修士1年を終えて2~

経営学をかじった印象

色々ありますが、全体として特に感じたのは3点です。

日本語や英語の量

1点目は、文系学問における圧倒的な文献の日本語や英語の量の多さです。私は理系でかつエンジニアなので、図表や数式ではなく自然言語を中心に展開される文献をあまりまともに読んできませんでした。経営学は社会科学系の学問であり、定性的な議論が自然言語で展開されます。当然文章量も多くなります。文系の人には当たり前でも、私には新鮮でした。併せて、来年度は論文を書くので、もっと日本語を鍛える必要性を感じました。

他分野との連携や活用

2点目は、経営学は他分野との連携や活用がとても多いことです。具体的には、経済学だけでなく、社会学や数学、心理学などとの連携です。経営学はもともと自分に閉じず他との連携が盛んな学問です。特に数学は、至る所で使われます。データを扱うところでは統計学、統計解析、多変量解析がよく使われています。例えば組織論やマーケティングでは、ある事象の因果関係を導くのに相関係数がよく用いられます(正直、一次式にどれだけ近いかを示す相関係数ってそんなに無敵なんだっけ?と思いましたが・・・)。ファイナンスも統計学、微積がないと成り立ちません。経営科学はほぼ数理工学といっても過言ではなく、まともにやるなら線形代数、微積、確率、統計、計算数学が必要です。
恥ずかしながら当初、経営学にここまで数学が用いられているとは思いませんでした。私にとっては嬉しい誤算で、数学を使う科目はとても有意義に過ごせました。数学を理解することに力を注ぐ必要がなく、本筋だけを追いかけることができたからです。反対に数学を使う科目は、文系出身の人たちは大変だったようです。

実務との接点

3点目は、経営学は経営上の現象を説明しようとし、課題があれば解決しようとする学問であることです。これは当たり前といえば当たり前なんですが、経営学は学問の中で閉じず、実務との接点を常に得ようとしています。今まで漠然と仕事をしてきた中にモヤモヤした課題がありましたが、多くは経営学の中で議論されていたため、一挙に整理された感があります。